この記事は、食品容器・資材専門の通販サイト「容器スタイル」が監修しています。
食品トレーやラップといった食品の包装資材に多く使用されているのがプラスチックです。
プラスチックが食品業界に普及する以前は、包装資材に「経木(きょうぎ)」が活用されていました。近年はエコ意識の高まりを受けて、経木が再び注目されています。
経木は安価なプラスチック製の包装資材にはない、天然素材ならではの高い機能や高級感のある見た目が魅力です。今回の記事では、経木ならではの魅力やおすすめの商品について紹介します。
経木とは
「経木」とは、木を薄く削って乾燥させたものを指します。主な素材はスギやヒノキ、アカマツなどの針葉樹です。「厚づき」「薄づき」「会敷」など、厚みによってさまざまな種類に分かれています。
経木の歴史
経木は仏教とともに中国から伝わったとされています。元々はお経を書くための紙の代わりに使用されていました。「お経を書く木」から転じて「経木」と呼ばれるようになったといわれています。日本に伝わった当初、経木は現在のように薄い紙のような形状ではなく、「へぎ板」と呼ばれる板状のものでした。
現在使われている薄い紙のような経木のルーツは、江戸時代に生まれた「付木(つけぎ)」だといわれています。江戸時代には、料理や暖を取る目的で火を使うシーンが多くありました。そこで、手軽に火を別の場所へ持ち運ぶために薄く削った木に硫黄を塗った付木が発明されたのです。
当時は食べものを竹皮で包む文化がありましたが、江戸時代末期に竹皮不足が発生します。そこで、付木屋を営んでいた商人が、付木を削って竹皮の代用品を作ることを思いつきました。1年の期間を経て食品包装用の薄い経木が開発され、地方から都市部へと広がっていきます。
しかし、戦後の高度経済成長によって、大量生産が可能なプラスチックで作られた包装資材が急速に広まります。経木は徐々に姿を消していきましたが、近年カーボンニュートラル社会の機運が高まったことが転機になりました。プラスチックごみを減らす観点から、経木が再度注目されています。
経木の効果やメリット
植物由来の包装資材である経木は、エコの観点から注目されるようになりました。それに加え、高い機能性を持っている点も経木の魅力といえます。ここでは、経木の持つ効果やメリットを解説します。
抗菌作用で鮮度をキープ
アカマツなどの松を素材として作られた経木には、「松やに」が持つ高い抗菌作用があります。そうした経木で食材を包むことで雑菌の繁殖を抑え、食材の味や鮮度を保ってくれる点がメリットになります。
適度な吸水作用と通気性で食材のべたつきを防ぐ
経木はプラスチック製の包装資材と違い、適度に水分を吸水する「吸水作用」、ほどよく調湿する「調湿作用」を有しています。保鮮シートのように食材の水分を吸いすぎて食材がパサついてしまうこともありません。温かいおにぎりを包んだときには、ごはんを乾燥させることなく、また海苔が湿気でべたつくのも防いでくれます。
経木は常温のものだけでなく、冷蔵品や冷凍品にも使えます。肉や魚などの生鮮食品から出る水分やドリップを適度に吸って、食材の水分をほどよく保ってくれるでしょう。
爽やかな香り
経木の原料は主に針葉樹であるため、木の香りを楽しめます。経木の包みを解くときに、ふわりとした森のような爽やかな香りを楽しめるのも魅力です。
エコでおしゃれ
経木は植物由来の天然素材です。廃棄後もそのまま自然に還るため、環境負荷が少ない循環型の素材といえます。また、天然素材ならではのナチュラルな見た目もメリットです。経木を敷皿として使用すれば、素材や料理の魅力を引き立てます。
経木の主な用途
経木は「包む」「敷く」などさまざまな用途で活用できます。主な経木の使用方法を解説します。
折箱の素材に
経木にはさまざまな厚さのものがあります。厚めに削った「厚経木」と呼ばれる経木は、折箱の素材に使われています。駅売りのお弁当の折箱に使われるほか、結婚式の引き出物の赤飯や仕出し弁当の折箱にも利用可能です。
おにぎりなどの包装に
経木はすぐれた抗菌性、調湿性、吸水性を持つ包装資材です。そのため、おにぎりや和菓子、お惣菜などを保存する際に活用できます。素材の余分な水分を吸収しながら適度な水分は保つため、乾燥させずに保存できる点が魅力です。
鮮魚や精肉の包装に
経木の持つすぐれた吸水作用や調湿作用、抗菌作用は生鮮食品の包装にも適しています。経木で肉などを直接包むと、水分やドリップを吸って、雑菌の繁殖も抑えます。冷凍や冷蔵でも使用できるため、食品とトレーの間にカットした経木をシートとして挟んだり、食品保存用袋に経木と食材を入れて密封保存したりすることも可能です。冷凍品を解凍する際、経木で包んだり、経木のシートを挟んだりすれば、出てくるドリップを吸水してくれます。
調理の際の落とし蓋に
経木はアルミホイルやクッキングペーパーの代わりに、落とし蓋としても使われます。経木は原料が木であることから、ほどよい弾力があるのが特徴です。落とし蓋として使用すると、具材の形に添うように蓋ができ、味の染みこみがよくなります。
経木が使われているおすすめの商品をご紹介
経木を使った商品にはさまざまなものがあります。経木を食材の包装や保存、メニューの提供などに活用したい方のために、おすすめの商品を紹介します。用途に合わせた商品選びにぜひ活用してください。
トレー マスキ 木舟 6寸 アスペン
経木を舟形に加工したトレーです。アメリカ北東部に自生するヤナギ科の広葉樹「アスペン」を原料に使用しています。タコ焼きのトレーとして使用するほか、工夫次第でさまざまな食材の器や皿として使うことも可能です。6寸以外のサイズも展開されています。
トレー アサヒグリーン 経木薄板
厚さの薄い経木です。そのまま食材の包装に使うだけでなく、小さく切ってトレーの間に挟む、切り込みを入れて皿にするなどさまざまな用途で使用できます。
トレー アサヒグリーン 経木文庫 7×3寸
紙と経木を原料とした包装容器です。調湿性と抗菌性が高く、レトロな風合いも楽しめるテイクアウト容器として活用できます。
アサヒグリーン弁当容器 経木ワッパ小判
高級感のある白松で作られた経木を使った商品です。「ワッパ小判型」であることから、テイクアウト用メニューやお弁当の容器のほか、オリジナルのギフトパッケージなど、さまざまな用途に使用できます。
折箱 経木 2人角
経木を使用した折箱です。経木の持つ高い抗菌作用と調湿作用で、雑菌の繁殖を抑えながら、中のものを乾燥させずに保存できます。お弁当など、長時間食品を詰めて販売したいときに向いています。
宅配用 ヤマニパッケージ NK-6 折箱大
身箱に経木を用いた折箱です。完成品であることから組み立てる必要がなく、スムーズに使用できるのが魅力です。木箱のような高級感のある見た目も楽しめます。
スナック・軽食袋 アサヒグリーン コーン型経木H125
経木を「コーン型」に加工した商品です。片手で持ちやすい形状であることから、食べ歩きやイベントの屋台、キッチンカーで提供するメニューに使用するのに向いています。別売りで丸台・角台の専用スタンドもあるため、合わせて使用すれば屋外のテーブル席で商品を提供することも可能です。
まとめ
経木の概要やメリット、活用方法とともに、経木を使用したおすすめ商品を紹介しました。経木は地球環境に配慮したエコな素材であるのと同時に、調湿性や吸水性、抗菌性など食材・食品の包装に適した多くの機能も持っています。店舗における食材・商品の提供や保存、調理、テイクアウトメニューの包装など、さまざまな用途に経木をぜひ取り入れてみませんか。
この記事を書いた人
松井 誠一郎(まつい せいいちろう)
松井 誠一郎(まつい せいいちろう)
2020年折兼に入社。
EC事業部にてキャンペーンやセールなどの企画を担当しています。
折兼入社前は医療機器メーカーで営業を担当。
食品包装資材については日々勉強中ですが、お客様のお悩みを解消できる記事を執筆できるよう、精進してまいります!
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