この記事は、食品容器・資材専門の通販サイト「容器スタイル」が監修しています。
現在では国民食といわれるほど、日本人に愛される料理となっているカレー。各専門店で試行錯誤してつくられているカレーが、全国各地で楽しめるようになっています。
この記事では、テイクアウト用の容器について、素材の特徴や用途・メニューに合ったおすすめの容器を紹介していきます。さらに、テイクアウトに便利なカレー容器を選ぶ際の5つのポイントも解説します。
お店自慢のカレーをお客様に最大限楽しんでもらえるよう、この記事を容器選びの参考にしてください。
カレー容器の素材別・種類別の特徴
カレーの容器を選ぶときには、
「カレーとごはんを分けたい!」「レンジ対応の容器を使いたい!」「低価格で販売したい!」など
用途や目的に合わせて容器選びをしていく必要があります。
ここでは容器の素材による機能性の違いと、用途に合ったカレー容器を紹介していきます。
素材による機能性の違い
カレー容器に適した容器の素材として、PSP・PP配合素材・環境配慮型素材の3つに絞り説明していきます。
PSP素材
PSP素材は、優れた保湿性と断熱性があり、常温使用の容器によく使われています。
価格も安価な容器が多く、低コストで始められる点も大きなメリットです。
デメリットは、電子レンジ対応ではない点です。
持ち帰りやデリバリーのように提供からお客様が食べるまでに時間がかかる場合であっても、カレーを容器と一緒にレンジで温めることができません。
また、保管時にかさばる容器が多い点もデメリットとして挙げられます。
PP配合素材
PP配合素材のメリットは、高い耐熱性・耐油性にあります。電子レンジ対応容器に使用されており、テイクアウト容器としてそのままレンジで温めることができる点で非常に優れています。
また、PSP素材と比べ省スペースでの保管が可能な商品が多い点もメリットとなります。
デメリットとしては、PSP素材の容器と比べ価格の高い容器が多く、コストがかかる点があります。
環境配慮型素材
近年注目されている環境配慮型素材には、さとうきびの搾りかすで作られる「バガス素材」や「紙素材」、「バイオマスプラスチック」など様々な素材があり、続々と新しい容器が開発されています。
環境に配慮できるだけでなく、質感や見た目がおしゃれな容器が多い点も非常に魅力的です。
プラスチック容器と比べ価格は高いですが、今後さらに需要が高まっていく素材になります。
用途別本体の種類
使用したい容器の素材が決まれば、次は容器本体の種類選びになります。
ここではカレー容器によく使用されている、
- 仕切りなし容器
- 仕切りあり容器
- 中皿対応容器
の3種類の容器のメリット・デメリットの説明と、それぞれのおすすめ商品をご紹介します。
仕切りなし容器
仕切りなし容器の最大のメリットは、作業効率の良さにあります。
ごはんとカレーを別容器に移す必要がなく、盛り付け作業が非常に楽な点が仕切りなし容器のおすすめポイントです。
一方デメリットは、ごはんとカレーが同じ仕切りの中にあることから、時間経過とともにごはんがべちゃっとした食感になってしまう点です。
また、トンカツやからあげなど衣のサクサク感を楽しむようなトッピングと合わせるのにも適していません。
盛付け作業がスムーズに行えるので、イベントやお祭りなど、提供にスピードが求められる場面には特におすすめの容器です。
PSP | PP配合 | 環境配慮型 |
カレー容器 VK‐51 無地本体 | カレー容器BF‐214‐1ホワイト本体 | BB竹バガス カレー容器 240‐150 |
仕切りあり容器
仕切りあり容器のメリットは、先述した仕切りなし容器のデメリットである、ごはんやトッピングのべたつきを防ぐことができる点です。
また、ごはんやトッピングと別の仕切りにカレーを入れられることから、お客様が家に持ち帰って食べるまで見栄えを保つことが出来ます。
デメリットとしては、やや食べづらさがある点があります。
仕切りでごはんとカレーが分けられているため、中には食べづらいと感じる方もいるかもしれません。
仕切りによる食べづらさを解消出来るのが、次の中皿付容器になります。
PSP(CF) | PP配合 | 環境配慮型 |
CFカレー No.1 白 本体 | SDビストロ M24‐18仕切 BK 身 | エコ容器 ABバガス カレー容器 C-1 ラミ |
中皿付容器
中皿付容器は、容器自体に中皿やカップがセットできるタイプの容器です。
カレーを取り外しの出来る中皿に入れ、食べるときにごはんの入っている部分へ移すことができます。
また、中皿にも蓋をすることで汁漏れを防ぐことができるため、デリバリーにも向いています。
デメリットは価格が高い点です。
用意する容器として、「容器本体」と「本体の蓋」と「中皿」、容器によっては「中皿の蓋」が必要となり、容器のコストが他の2種類と比べかかってしまいます。
カレー容器に最適な蓋の形状
カレーのデリバリー・テイクアウトでの懸念点として、カレーの汁漏れが挙げられます。
せっかく買っていただいたお客様からの汁漏れのクレームは避けたいですよね。
そこで重要になってくるのが蓋の形状になります。
カレー容器の蓋の種類は大きく分けて「外嵌合蓋」と「内嵌合蓋」の2種類があります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
外嵌合蓋 | 内嵌合蓋 |
本体と外側でパチッとはめやすく、開けやすい仕様 | 外嵌合蓋より強固に密着し、汁漏れしにくい構造 |
イベントやお祭りなどのお客様がすぐに食べられ、蓋が必要無い場面では外嵌合蓋の容器でもあまり問題ありませんが、デリバリーやテイクアウトなどの場合、内嵌合蓋の容器を使用することをおすすめします。
テイクアウトに便利なカレー容器を選ぶ際の5つのポイント
ここでは、テイクアウトに便利なカレー容器の選び方について、5つのポイントを解説します。
【ポイント1】十分な耐熱性があるか
カレーのテイクアウトにおいて、電子レンジで温め直しをできるよう、十分な耐熱性がある容器を選ぶことが大切です。
電子レンジでカレーを温めると、カレーの油分の影響で、温度が100度以上の高温になる可能性があります。
先述したように、PP配合素材の容器は電子レンジに対応しています。
PP配合素材の耐熱温度は130度なため、万が一温めすぎても心配ありません。
耐熱性を重視するなら、PP配合素材がよいでしょう。
それに対して、PSP素材は断熱効果があり、カレーが冷めにくいのが特徴です。
カレーを入れた容器を持ったときに、手に熱があまり伝わりにくいため、イベントでの提供など、温めなおす必要がなく、出来立てのカレーをその場で召し上がっていただくシチュエーションに適しています。
ただし、耐熱温度は80度程度のため、電子レンジで温めなおすことができず、テイクアウトにはやや不向きになる可能性もあります。
また、環境配慮型素材であるパルプモールドやバガスモールドの容器は、電子レンジに対応しているものが多くあります。
これらの容器は、サトウキビのしぼりかすや竹、麦、古紙を原料としており、環境に優しいエコ容器として注目されています。
【ポイント2】汁漏れ対策がされているか
カレーを配達したり持ち運んだりする際には、カレーのルーが漏れてしまうことがあります。
カレーを入れるなら、しっかりと汁漏れ対策がされている容器を選びましょう。
先述したように、容器の蓋には「外嵌合蓋」と「内嵌合蓋」の2種類があります。汁漏れの心配がある場合には、密封性の高い内篏合蓋の容器を選ぶのがおすすめです。
さらに、深さのある容器であれば、より汁漏れしにくくなります。
【ポイント3】仕切りがあるか
カレーの容器を選ぶ際には、仕切りの有無をチェックしましょう。
カレーの販売では、ご飯とルーを分ける仕切りのある容器が多く使用されています。
また、出来上がりから実際に食べてもらうまでに時間があることもあるので、テイクアウトなら仕切りありの容器がおすすめです。
また配達する場合には、容器が揺れたり傾いたりする可能性があるため、ご飯とルーを別々の容器にしたり、中皿付容器にしたりすることも選択肢の一つでしょう。
【ポイント4】ターゲット層と容器が合っているか
カレーは幅広い年齢層や性別の方に人気のメニューですが、容器を選ぶ際には、ターゲット層と容器が合っているかを考慮することも大切です。
例えば、学生は価格と量を重視する傾向があり、中高年の方の場合は、量よりも品質を求める傾向があると考えられます。
流行に敏感な女性をメインターゲットにしている場合は、容量が大きすぎず、エコ素材を使用し見た目にこだわったおしゃれな容器が好まれるでしょう。
さらに、お客様がどのようなシチュエーションでカレーを食べるのかも、考慮する必要があります。
例えば、自宅や会社で食べる人には、電子レンジで温められる耐熱性が求められるので、PP配合素材の容器が適しているでしょう。
それに対し、公園や車内で食べる人にとっては、こぼれにくさや保温性が大事なので、PSP配合素材の容器や内嵌合蓋の容器を選択するのが適しているでしょう。
ターゲットに合わせた容器の選択は、カレーのテイクアウトやデリバリーの顧客体験に、大きな影響を与えます。
お店の立地やニーズ、シチュエーションを考慮しながら、ターゲットに合った容器を選びましょう。
【ポイント5】コストは適切か
最後に、容器を選ぶ際に重要なのがコストです。
通常、販売価格の10%以内が容器のコストの目安とされています。
もちろん、これはあくまでも目安で、それ以下やそれ以上の設定も可能でしょう。
デザイン性の高さや性能の高さをこだわればこだわるほど、コストも高くなる傾向にあります。
容器だけでなく、カトラリーや袋などの費用もコストとして考慮しなければなりません。
また、デリバリーを利用する場合は、デリバリー代行業者に支払う手数料もコストに含める必要があります。
なお、手数料は一般的に販売価格の35~40%とされています。
こういった手数料なども考慮して、予算内で容器を選択することが大切です。
まとめ
カレー容器は、素材や蓋の形状などによって機能性が異なります。
カレー容器を選ぶ際には、「耐熱性・液漏れ対策の有無・仕切りの有無・ターゲット層・コスト」の5つのポイントを意識してみましょう。
容器について正しく理解することで、狙っていくターゲット層や販売方法に適した容器を選べます。
容器は、料理の魅力をさらに引き出す大切な要素です。
この記事を参考に、ご自身のお店にぴったりなカレー容器を選んでみてください。
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この記事を書いた人
長谷川 博俊(はせがわ ひろとし)
長谷川 博俊(はせがわ ひろとし)
2019年折兼に営業職として入社し、名古屋支社に配属。
現場での営業経験を積んだのち、2022年に通販事業部に異動。
通販MDとして容器スタイルの掲載商品数増や、名入れスタイルの顧客対応をしています。
MDとして培った商品知識を生かした記事を執筆していきます。
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