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衛生の基礎知識「手洗い」

タイトル

今回は、衛生の基本の「き」である手洗いについて解説します。


「菌をつけない」手洗い

今回は「手洗い」について解説していきます。
まずは食中毒予防の三原則を確認しましょう。

「菌をつけない」「菌を増やさない」「菌をなくす」

この三つについてはご存知の方も多いかと思いますが、この三原則にはそれぞれ管理のポイントがあります。
手洗いはこの三原則の1番目「菌をつけない」の最重要ポイントです。

手洗いの重要性について

手洗いの重要性について、二つの理由をお伝えします。

全ての作業に手を使う

汚れた手で作業すると触ったところ全てに汚染が広がり、さらに、その汚染されたところを他の人が触ってしまうと、その人の手も汚染されてしまいます。
その結果、食中毒事故が起こる可能性が上がってしまいます。

食中毒事故の大部分は、手洗い不足が原因

年間1000件以上の食中毒事故が発生していますが、実その7割以上が手洗い不足が原因と言われています。
逆に、手洗いがしっかりしていれば大部分の食中毒事故は防げるということになります。

なぜ手洗い不足が食中毒の原因になりやすいのか?

主な理由が二つあります。

たった一人の手洗い不足で食中毒事故は起こる

現場での衛生レベルはその従業員の中での最低最悪者のレベルになります。
決して平均点で決まるわけではありません。
過去にもたった一人が手洗い不足で、汚染された手で製品を触ってしまい、実に1000人以上のノロウィルスの食中毒が発生してしまったという事例もあります。
また、先程もお話しましたが、汚染された手でものを触ると、汚染はどんどん広がっていきます。
汚染が広がるほど、食中毒事故のリスクは高まります。
全員が「自分の手洗い不足が原因で食中毒がおこるかもしれない」という意識をもって、作業に取り組みましょう。

手は細菌が繁殖しやすい環境

細菌が繁殖するためには、「水分」「栄養」「適温」の三つの条件がそろう必要があります。
このうち、「栄養」とは有機物の事で、食材や生物はもちろん、汚れも栄養になります。
「適温」というのは35℃近辺で、丁度人間の体温と同じくらいの温度です。
したがって、手を始めとした人間の体は、この三条件全てを満たしていることになります。
三つの条件が揃った時、細菌は猛烈な勢いで増殖します。
1時間に6回も7回も分裂して増えていく菌もいます。
手洗い不足の手は、細菌が増殖し続けている状態だということを意識しましょう。

以上の事から、一人でも手洗い不足の従業員がいると、細菌が増殖し、食中毒事故につながる可能性があります。

手洗い不足の手をチェック!

普段は見えないですが、手洗い後の手を見てみましょう。
画像は、手洗い前に蛍光ローションをつけ、手洗い後ブラックライトに照らした状態の手です。
白く光っているところが洗い残しの場所になります。この画像では全体的に洗い残しがありますが、特に指の根元部分そして手首に洗い残しが多くみられます。
このように、ツールを使った衛生講習会も折兼では開催をしています。
「自分の手洗いはちゃんとできてる。大丈夫」と思っている人多いですが、実際は洗い残しがあることがほとんどです。
まずは現状の手洗いでは足りないということを知る。そして正しい手洗い方法を身につけることが大切です。


ブラックライト

正しい手洗い方法12手順

画像とともに、正しい手洗い方法をご紹介します。
1. 手を濡らす
2. 石鹸を取り、よく泡立てる
3. 手のひら同士をしっかりこすり洗う(ゴシゴシと洗うのがコツ)
4. 手の甲を洗う
5. 指と指を組み合わせて指の間と根元を洗う
6. 親指を洗う(親指の根元も忘れないように)
7. 指先をもう片方の手のひらと洗う(しわに沿って洗うとしわの間の汚れもよく落ちる)
8. 必要に応じて爪ブラシを使う
9. 手首を洗う
10.流水でよくすすぐ
11.ペーパータオルでしっかり水分を拭き取る
12.アルコールを手にしっかりとぬり込む
(この時水分が残っているとアルコールの効果が弱まるので、11.でしっかりと乾燥させる)


手洗い

1分間手洗いをするよりも、30秒の手洗いを2回した方が、より菌が落ちやすいというデータが出ています。

手洗いを行うタイミング

1.作業の開始時

一番しっかりした手洗いをしてください。
手袋をするから大丈夫と油断すると危険です。
不十分な手洗いだと、手袋を装着する時に手袋自体が汚染される可能性があります。
また、手袋も使っているうちに穴が開いたり破れたりするので、手袋への過信は禁物です。

2.トイレの後

トイレ後の手洗い不足が原因で発生するノロウイルス食中毒の事例は非常に多いです。
他人のノロウイルスで汚染された便器や扉を触っている可能性があるので、トイレ後はしっかりと手洗いをしてください。

3.汚れたものに触った時

ゴミ箱や、製品が入ったダンボールを運んだ時はもちろん、マスクや帽子を無意識に触っている人もいます。
手が汚染されている恐れがあるので、必ず手洗いをしましょう。

意識をしなければ手洗いをすることはできません。
常日頃から手洗いで手を清潔に保つことを頭に入れておきましょう。

まとめ

手洗いは全ての衛生管理の基本になります。
全員が、正しい手洗いを、確実に行うことが衛生管理の第一歩となります。

手洗いツール紹介

非接触手洗いタイマー


非接触手洗いタイマー

手を触れないので衛生的に使えます。
また、時間も任意で設定が可能です(5秒単位)
30秒の2度洗いや1分間の手洗いとして時間を管理すると、衛生レベルが上がります。

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ハンドソープ


ハンドソープ1

ハンドソープ2

希釈タイプは濃度がばらつく可能性があるため、原液使用タイプがお勧めです。
また、食品現場には無香料のものを使用してください。

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ディスペンサー


ハンドソープディスペンサー

アルコールディスペンサー

シンクや壁面に取り付けができる、専用のディスペンサーです。

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つめブラシ


つめブラシ

定期的に洗浄・消毒しないと、汚染されているので注意が必要です。
管理が難しく、つめブラシを使用しないところも増えています。

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ペーパータオル


ペーパータオル

風圧で水を飛ばすジェットタオル系は、手洗いが不完全な場合、汚染物質を飛散させてしまう可能性があるので注意が必要です。
手洗い後の乾燥はペーパータオルの使用が望ましいです。

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ゴミペール


ゴミペール

手を触れない足踏み式が衛生的です。
人数とごみの量にあわせてサイズを選びましょう。

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この記事を書いた人

古澤 長流(ふるさわ たける)

古澤 長流(ふるさわ たける)

2018年折兼に営業職として入社し、名南営業所に配属。
現場経験を積んだのち、2019年に折兼ホールディングスの衛生管理グループに異動・転籍。
日々、衛生について勉強中。
大学時代は病原菌について研究していたので、学んだことを生かして食の安全に役立つ記事を執筆していきます!

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