身だしなみを整えることは、異物混入防止はもちろん、従業員の衛生意識の向上にも繋がります。
今回は「身だしなみ」について解説していきます。
まずは食中毒予防の三原則を確認しましょう。
「菌をつけない」「菌を増やさない」「菌をなくす」
この三つについては手洗いの記事でも触れていますが、身だしなみはこの三原則の1番目「菌をつけない」のキーポイントです。
身だしなみの大切さ
安全な製品を作るために、全従業員が正しい身だしなみを守ることが大切です。
手洗いの記事でも書きましたが、その事業所の衛生レベルはその中の最低最悪者のレベルになってしまいます。
たった一人正しい身だしなみを守らなかったために事故は起こります。
全員が正しい身だしなみを守ってください。
【チェック】正しい身だしなみの基準・マニュアル
食品工場を例にして正しい身だしなみを見てみましょう。
髪の毛は帽子の中に入れる
はみ出している場合は、抜けたら即異物混入につながります。
毛髪は成人で1日約70本抜けると言われてます。
毛髪が抜けることを止めることはできませんので、いかに作業場内で落とさないかを考えて行動してください。
作業着は清潔なものを着用する
汚れたものを着用していると、汚れた部分で食材に触れた場合に汚染される可能性があります。
ローラーはしっかりかける
着替えの際に発生した静電気で、毛髪が作業着に付着している場合があります。
作業場への入室前にしっかり取り除いてください。
ペットの毛などが足の部分についている可能性もあります。
イヤリング、ネックレス、時計、指輪などアクセサリーは身につけない
落下すると異物混入につながります。
長時間身につけているので、その場所が細菌で汚染されている可能性があります。
アクセサリーを外したところは特にしっかり洗ってください。
爪は短く切る
爪の長さに比例して細菌が潜んでいると考えてください。
手のひら側から見て見える爪は長いので切りましょう。
マニキュアも異物混入の危険性がありるので禁止です。
手に傷がある人は必ず手袋をする
傷には黄色ブドウ球菌という食中毒を引き起こす菌が潜んでいる場合があります。
本来は調理作業しない方が望ましいですが、どうしても調理を作業する時は専用の絆創膏を貼り、必ず手袋を着用してください。
手袋は定期的に交換する
手袋をしたからといって、無菌状態で作業ができるわけではないです。
汚れは手袋の上から少しずつ蓄積していき、また、使っているうちに破れたりもします。
マスクは鼻までしっかり覆う
鼻からも飛沫が飛ぶ可能性があります。
作業靴は清潔に保つ
作業後に洗浄して保管することが理想です。
特に裏側に残渣が溜まったままにしておくと、作業場内に汚染を広げることになります。
正しいローラー掛け
正しい粘着ローラーの掛け方をご紹介します。
1.頭からローラー掛けをする
上と左右と後ろの4面をしっかりローラー掛けします。
着帽時に毛髪が付着している可能性があります。
2.両肩をローラー掛け
肩には毛髪が落下していることが多いです。
3.両腕をローラー掛け
腕の内側と外側の両方忘れずに。
4.胸からお腹にかけてローラー掛け
5.背中も同様にかける
6.足の内側と外側をローラー掛け
前後ろを両方かけてください。
足は落下した毛髪を巻き上げて付着していることが多いです。
手洗いと同様にもれなくかけることが大事です。
まとめ
それぞれに合ったサイズの作業着を正しく身に着け、毛髪混入防止をはじめとした衛生管理に努めましょう。
「服装の乱れは心の乱れ」という言葉もあります。反対に、身だしなみを整えれば従業員の衛生意識も高まります。
しっかりした身だしなみで、衛生的な現場づくりをしましょう。
身だしなみツール紹介
※今回は食品工場を想定してツール紹介をします。
作業着
手首、足首が絞ってあり、体毛落下インナーが付いたタイプを選んでください。
生地はポリエステル100%のものが、ケバ立ちが少なく、速乾性も高いため、白衣を衛生的に保てます。
帽子
インナーとアウターをセットで使用することが基本となります。
帽子を強化しても、サイズが合っていなかったり、しっかり着用していないと効果が半減してしまいます。
そういった際は、運用を見直すことも大切になってきます。
インナーキャップ
髪の毛を抑えて抜けにくくします。
アウターキャップ
頭部全体をしっかりと覆い、髪の毛を落とさないようにします。
短靴
転倒事故防止のため、滑り止め機能がついたタイプがお勧めです。
短靴は内側に水や異物が入ってきやすい為、従業員が丁寧に作業するようになる「意識づけ」にも効果的です。
長靴
裏面が食品残渣が詰まりにくいパターンになっている製品があります。
裏面を清潔に保ちやすくなる為、作業場も衛生的に保てます。
手袋
フィット感のあるニトリル手袋と、安価で頻繁に交換できるポリ手袋の2種類が主流となります。
厚みも選択でき、製品が重いもの・硬いものだと、使ってる間に破れやすいので厚みのあるタイプを選んでください。
反対に、盛り付けのみであれば薄いタイプでも大丈夫です。
作業場によって、厚みを分けて使っている現場もあります。
異物混入対策として、破れた時に見つけやすい青色を使うのが一般的です。
また、手洗いが不十分な場合、手袋を取り出す際に手袋自体を汚染する可能性がある為、手首側から取り出せる仕様の製品が好ましいです。
ニトリル手袋
日本初、HACCP製品認証を取得したニトリル手袋。
袋入りで衛生的。
ぴったりフィットして細かな作業にも最適。
ポリ手袋
コストを抑えて導入できます。
具材がくっつきにくい外エンボス加工のポリ手袋は食品工場におすすめです。
マスク
大きくは、生地が何枚重ねになっているかで種類が分かれます。
一般的には、生地の枚数が増えるほど遮断性が高くなります。
また、装着性のよい耳掛けタイプと、長時間使用しても耳が痛くならないオーバーヘッドタイプがあります。
エプロン
厚みがあるものは丈夫で耐久性がありますが、洗っても完全には汚れが落ちにくい為、使い捨てタイプを使用するのがよいです。
アームカバー
エプロンと同様に、こちらも使い捨てタイプがお勧めです。
この記事を書いた人
古澤 長流(ふるさわ たける)
古澤 長流(ふるさわ たける)
2018年折兼に営業職として入社し、名南営業所に配属。
現場経験を積んだのち、2019年に折兼ホールディングスの衛生管理グループに異動・転籍。
日々、衛生について勉強中。
大学時代は病原菌について研究していたので、学んだことを生かして食の安全に役立つ記事を執筆していきます!
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