この記事は、食品容器・資材専門の通販サイト「容器スタイル」が監修しています。
割り箸はスーパーやコンビニなどでお弁当を買うときにもらったり、飲食店で食事をする際にテーブルに用意されていたりするなど、さまざまなシーンで活用されています。しかし、いつ頃から使われているのか、どのような種類があるのかはあまり知られていません。
ここでは、割り箸の歴史や種類に加えて、意外と知られていないマナーについても解説していきます。
割り箸の歴史
「割り箸」という名称は、木をナタで割って作っていたことに由来するといわれています。
割り箸がどのように誕生したのかは明らかではありませんが、日本で古くから使われていることは確かです。伝承によると、その歴史は南北朝時代(室町時代初期)までさかのぼり、吉野杉で知られる奈良の吉野を訪れた後醍醐天皇に対して、杉の木を削った箸を献上したことが始まりとされています。
後醍醐天皇は杉で作られた割箸をとても気に入り、その後も使っていたそうです。それが影響したのか、割箸は宮廷や位の高い人だけが使う高貴なものだったと伝えられています。
江戸時代になると、2本の箸の根元がくっついている「引裂箸(ひきさきばし)」が作られるようになります。引裂箸は、現代で使われている割箸と同じようなもので、「割られていない=未使用」であるということが一目でわかる形状です。江戸時代後期、うなぎ丼を販売する鰻屋(うなぎや)といった屋台が流行し、割箸が使われるようになると、庶民の間でも使い捨ての割箸が一般的に使われるようになりました。
なお、当時の割り箸は再利用されることもあったようですが、衛生意識が高まった江戸時代後期~昭和初期には使い捨てが増えたといわれています。
割り箸の形状の種類
割り箸にはさまざまな種類があります。種類によって材質や形状が異なるのはもちろん、用途も変わってくるため、シーンや料理に合わせて選ぶことが大切です。
元禄(げんろく)
「元禄(げんろく)」は最も安価かつ流通している割箸です。四方の角(面)が落とされ、2本の箸の割れ目に溝をつけて割りやすくなっています。江戸時代に慶長小判の金の含有量を減らした元禄小判が作られましたが、溝をつけることで材料となる木の分量を減らしたことから、このように名付けられたとされています。
流通量が多く日常でよく使われる割箸なので、お客様のおもてなしには向いていません。
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小判(こばん)
「小判(こばん)」は角・面を削って、丸みを出している割箸です。断面が小判のように見えることから、このように名付けられました。割箸のなかでも最も古い形状といわれています。なお、これに溝をつけると元禄の割り箸になります。
小判は、角が落ちて使いやすく、家庭や大衆食堂でよく使われていますが、こちらも大衆的な割り箸なので、お客様に対して出すのは避けたほうが無難です。
利休(りきゅう)
「利休(りきゅう)」は箸の真ん中が太く、両端になるほど細くなっていく形状の割箸です。茶人として有名な千利休がお客様のために、自らの手で一膳一膳削ったといわれています。このような由来から、懐石料理やおもてなしの席で使われるようになりました。
ちなみに“利”を休めるという語呂を嫌って、“利”が永久に続くように「利久」と呼ばれることもあります。
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天削(てんそげ)
「天削(てんそげ)」は割箸の持ち手部分(天)の角を斜めにカットし、木目本来の美しさを強調させた割箸です。箸を上下逆さまの状態で使わない(天を逆さまにしない)という意味を込めて、このように命名されました。
見た目が美しく、割箸のなかでも最高級品なので、高級料亭や家庭での特別な日に使われています。
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祝箸(いわいばし)
2本に分かれている「祝箸(いわいばし)」は割箸ではありませんが、使い捨ての箸の一つです。箸の両端が細く、中央部が太くなっています。断面がすべて丸く加工されており、別名「両口箸」や「丸箸」とも呼ばれています。
祝箸は、末広がりで縁起の良い「八」にちなんだ八寸(約24cm)の長さがあり、結婚式やお正月といったお祝いの席に向いています。
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意外と知らない割り箸の使い方マナー
お箸のマナーはともかく、割り箸のマナーまで知っている人はそう多くないでしょう。そこで、割箸の使い方に関するマナーも紹介していきます。
正しい割り方
割り箸を縦にして左右に割ると、隣の人に腕がぶつかってしまう可能性があります。そのため、割り箸を割るときは、水平にして上下に割るのが正解です。箸先が左側を向くように持って、静かに割ってください。
もし割り箸にささくれができてしまった場合は、箸同士をこすり合わせるのではなく、手で1つずつ取りましょう。
置き方
食事中に割り箸をいったん置くとき、箸置きがない場合は、箸袋で箸置きを作っても構いません。お椀の上などに箸を乗せる「渡し箸」はNGなので注意しましょう。
食べ終わった後
料理を食べ終わったら割り箸の汚れた部分が見えないよう、箸袋へと戻すのがマナーです。箸袋の下1/3あたりを裏側に折っておくと、割り箸が使用済みであることが伝わります。
まとめ
割り箸は日本人にとって身近な食器ですが、歴史や種類はあまり知られていません。歴史は話のネタになる程度ですが、種類はおもてなしのマナーと関連しているので、この機会に覚えておくことをおすすめします。
割り箸のマナーもきちんと守れば、相手に好印象を与えやすくなるでしょう。
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この記事を書いた人
松井 誠一郎(まつい せいいちろう)
松井 誠一郎(まつい せいいちろう)
2020年折兼に入社。
EC事業部にてキャンペーンやセールなどの企画を担当しています。
折兼入社前は医療機器メーカーで営業を担当。
食品包装資材については日々勉強中ですが、お客様のお悩みを解消できる記事を執筆できるよう、精進してまいります!
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