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食中毒の季節到来!予防・対策について紹介

おなかが痛い女性

この記事は、食品容器・資材専門の通販サイト「容器スタイル」が監修しています。


食中毒とは

食中毒といえば『夏』というイメージが強いかもしれませんが、過去の事例を見ると梅雨時期(5月~6月)と高温多湿となる夏(7月~9月)に細菌性による食中毒が多く発生していました。

ところが最近では食中毒の発生が少なかった冬の季節にも、ノロウイルスをはじめとしたウイルス性の食中毒の発生が年々増加しています。
そのため近年では一年を通じて食中毒対策が必要不可欠となってきました。

食品や飲用水などを介して有害な微生物や化学物質が体内に入り込みます。
その結果として、腹痛・下痢・発熱・おう吐などが起こることを一般的に食中毒といいます。

食中毒となる原因は細菌やウイルス、寄生虫、自然毒(物性・動物性)、化学物質など様々で、その特徴も異なります。

食中毒の発症要因

  • 細菌性食中毒  :食中毒菌が食品の中に混入して起こる要因。
  • ウイルス性食中毒:ウイルスが付着蓄積している食品の飲食と人の手を介して起こる要因。
  • 自然毒食中毒  :フグなどの動物性や毒キノコなどの植物性の毒によって起こる要因。

悩んでいる居酒屋の大将

中でも大多数を占めるのが「細菌」と「ウイルス」です。

食中毒を起こしてしまうと、お店や事業所などは営業停止処分や、場合によっては営業禁止になってしまいます。

食中毒はお店の評判や信用問題にも直結するので、食中毒事故を起こさないように基礎的な知識と対策を行いお店を守っていきましょう。

食中毒菌が増殖する要因と食中毒の種類

食中毒菌が増殖する要因


サルモネラ菌

要因1:栄養
食品や残菜、有機物汚れは細菌の栄養になります。
調理器具類についた食品の汚れも細菌の栄養素となります。

要因2:水分
細菌は水に溶けている栄養分を分解して摂取するため、水分のない食品では増殖できません。
水分を抑えることができれば、どのような微生物でも増殖を抑制することができます。

要因3:温度
温度は、細菌を増殖させる最も大きな要素です。
すべての細菌にはそれぞれ増殖に適した温度と、増殖温度範囲があります。
一般に、細菌の増殖に適した温度帯は、20℃~50℃といわれています。

食中毒の種類

一言で「食中毒」と言ってもたくさんの種類があるのをご存知でしょうか。
ここではその種類について説明します。

細菌性食中毒

細菌性食中毒は、感染型食中毒と毒素型食中毒に大きく2つに分けられます。

感染型食中毒

食品と一緒に食べた細菌が体内で増殖して食中毒が起こります。
細菌自体が原因の場合と、細菌が増殖するときに作り出される毒素が原因となる場合があります。

代表的な原因菌としてサルモネラ、カンンピロバクター、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌などがあります。

代表的な感染経由の食品
腸炎ビブリオ  :魚介類(刺身、寿司、魚介加工品)
サルモネラ属菌 :鶏卵、またはその加工品・食肉(牛レバー刺し、鶏肉)
病原大腸菌   :加工食品製品・水耕野菜・井戸水
カンピロバクター:食肉(特に鶏肉)、飲料水、生野菜など

毒素型

セルガキ

細菌が食品中で増殖するときに毒素を作り出し、その毒素を食べることで食中毒が起こります。
代表的な原因菌として黄色ブドウ球菌、セレウス菌、ボツリヌス菌などです。

毒素型、代表的な感染経由の食品
黄色ブドウ球菌:乳製品・卵製品、畜産製品(肉・ハム)・穀類とその加工品(ご飯、弁当)
セレウス菌  :食肉、野菜、スープ、弁当
ボツリヌス菌 :缶詰、瓶詰、真空パック食品(からしれんこん)、レトルト類似食品

ウイルス性食中毒

ウイルスが蓄積しているカキやハマグリの2枚貝からの摂取、感染患者からのおう吐物などを介して感染が起こります。
ウイルス性食中毒のほとんどがノロウイルスによるものです。

自然毒性中毒


きのこ

動物や植物が本来持っている有毒成分と、食物連鎖を通して動植物に取り込まれた毒素を指します。
人がこれら有毒成分を含む動植物を食べることで引き起こされる健康被害のことを、自然毒による食中毒といいます。

自然毒は、植物性自然毒動物性自然毒に大きく分かれます。
動物性食中毒はフグ毒や貝毒などによるもの、植物性食中毒はトリカブトや毒キノコ、カビなどの有毒成分によるものです。

食中毒予防対策

食中毒予防の三原則

  1. 菌をつけない :手洗いやきれいな身だしなみ。
  2. 菌を増やさない:食材や設備の温度管理。
  3. 菌をなくす  :食材の殺菌・加熱工程など。

手洗いの徹底

手洗いは「菌をつけない」食中毒予防の最重要対策です。

調理前、生の肉や魚、卵などを扱う前後、残った食品を扱う前などには手を洗いましょう。
手洗い後はペーパータオルと併用して、さらにアルコール消毒殺菌を行いましょう。

健康な人の手にも非常に多くの菌が常在しています。感染予防として手袋をしても、全ての感染を防げるわけではありません。
作業前、トイレ後、休憩後など必要に応じて手洗いを実施し、食品に菌を付けないように心掛けましょう。

手の乾燥方法は、使い捨てのペーパータオルが一番望ましいです。
個人のハンカチなどは、ハンカチが汚染されていると洗浄後の手に汚染が広がってしまいます。

また、エアータオルは風によって菌やウイルスが舞い上がる可能性があるので使用は控えましょう。


5S管理

  • 5S管理とは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の頭文字をとったもので、食品衛生管理の全ての基本ベースとなるものです。
  • 5S管理を行うことで、食中毒対策がよりスムーズにできるようになり、効果も高まります。
  • 5S管理実践できる事で、感染対策と作業効率があがります。
  • まだ衛生管理ができていないお店や事業所は、5S管理から取り組むようにしましょう。

調理場の器具

まな板もよく洗いその後、塩素系漂白剤(食品添加物)除菌・漂白等で殺菌処理を行ってください。
ふきん、包丁などの調理器具も、良く洗ってから洗剤で除菌・漂白し殺菌しましょう。

例えば、生肉・生魚をつかむトングや箸は、煮たり・焼いたりするトングや箸とは別のものを使用します。

生ものを触った箸・トングには細菌が付着している可能性があります。
そのまま使用すると別の食材に細菌が付着し増殖することも考えられるため、注意が必要です。

保存


真空パックに入った肉

細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になります。食品は低温保存が基本です。

特に肉や魚などの生鮮食品は、できるだけ早く冷蔵庫に入れ細菌の増殖を抑えることが重要です。

使用後に残った食材は冷凍・冷蔵保存するなど菌が増殖しないようにすることで食中毒を防ぐことができます。
また、保存に真空袋を使用することで菌の付着を遮断する効果があります。

まとめ
食中毒予防の第一歩は、安心・安全な原材料を使用することから始まります。
納入業者からの食材の衛生管理状況を確認したり、食中毒の原因物質を持ち込まない・つけない・繁殖させないようにしましょう。

 

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この記事を書いた人

古澤 長流(ふるさわ たける)

古澤 長流(ふるさわ たける)

2018年折兼に営業職として入社し、名南営業所に配属。
現場経験を積んだのち、2019年に折兼ホールディングスの衛生管理グループに異動・転籍。
日々、衛生について勉強中。
大学時代は病原菌について研究していたので、学んだことを生かして食の安全に役立つ記事を執筆していきます!

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